なぜ風が吹くのか(風が吹く仕組み)


今回は、なぜ風が吹くのか、ということについて説明していきたいと思います。


「風が吹く」というのは「空気が移動する」ということです。
空気は、空気が多い場所から少ない場所へ移動します。


空気が多いところは空気同士が押し合って、空気が外に飛び出そうとする力(空気が外側に押す力)が発生しています。

これを気圧が高い(高気圧)といいます。

満員電車で人同士が押し合って、ドアが開いた瞬間外に飛び出すのと同じような状態です。



一方、空気が少ないところは空気同士の押し合いがあまり発生しないため、空気が外に飛び出そうとする力(空気が外側に押す力)はあまり発生しません。

これを気圧が低い(低気圧)といいます。

この結果、高気圧から押されて飛び出した空気が、押す力の弱い低気圧の方に移動していきます。
この空気の移動が「風」というわけです。

では、地球上でどのような場所で高気圧と低気圧ができるのかを説明していきます。

なお、この場合の高気圧と低気圧というのは相対的なもので、数値が〇〇以下なら低気圧というものではなく、ある場所が周りと比べて気圧が低くなっていればそこを「低気圧」と呼び、その周囲を「高気圧」と呼ぶのでご留意ください。


気圧差を生む最大の要因は太陽から届く「熱」です。

「熱」によってある箇所の空気が周囲と比べて暖められたとします。
暖められた空気は激しく運動し、広がっていきます。

そうすると、空気が分散し、一か所当たりの空気量は少なくなる(密度が下がる)ため、空気は軽くなります。

軽い空気は上に上がっていき、上昇気流となります。その結果、地表付近の空気が少なくなり、周囲と比べて「低気圧」となります。(逆にその周りは「高気圧」となります)




高気圧と低気圧の差を生じさせる主な要因として「陸と海」があります。

昼、太陽からの熱が届いて地球が暖められますが陸と比べて「水は暖まりにくい」という性質があるため、海より陸のほうが暖まります。

その結果、海側に対して陸側の空気が暖まり、上昇気流となるため、陸側が低気圧、海側が高気圧となります。そして、海側から陸側に対して風(海風)が吹きやすくなるのです。




朝は海と陸の温度差が少ないためあまり風が吹きませんが、昼になり、陸と海の温度差が高まってくるとどんどん風が強くなっていくのです。




逆に、夜、太陽からの熱がなくなると、今度は陸と比べて「水は冷めにくい」という性質があるため、海より陸の方がはやく冷えていきます。

その結果、陸側より海側の空気が暖かくなり、上昇気流となることで、海側が低気圧、陸側が高気圧となります。そして、陸側から海側に対して風(陸風)が吹きやすくなるのです。




最後に、日本付近の季節ごとの風向きについて説明していきます。

日本付近において夏は暑くなる季節ですが、南西の太平洋に比べ、北西の大陸側がより暖まります。

その結果、大陸側で上昇気流が発生し低気圧に、太平洋側が高気圧となります。そして、太平洋側から大陸に向かって、南からの湿った風が吹きやすくなります。




一方、日本付近において冬は寒くなる季節ですが、南西の太平洋に比べ、北西の大陸側がより冷えていきます。

その結果、太平洋側で上昇気流が発生し低気圧に、大陸側が高気圧となります。そして、大陸側から太平洋に向かって、北からの乾いた風が吹きやすくなります。




このように普段何気なく感じている風ですが、それは全て、どこかで発生した高気圧と低気圧の気圧の差によるものである、ということを理解しておいてください。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です