水の向こうが歪んで見えたり、水の中のストローが曲がって見えたり、これらは光が曲げられる「屈折」によるものです。
今回は、光の屈折の原理について説明していきます。
(そもそも「光とは何か」についてはコチラ)
光の屈折は、光が「空気→水」や、「水→空気」など、別の物質へ移動する際に起こります。
ここでは空気と水を例に、光の屈折の原理を説明します。
空気と水では、同じ体積中に含まれる分子の数(密度)が異なっており、水のほうが多くの分子を含んでいます。
光が分子の中を進んでいくイメージとしては、
①分子が光を受け取る
②反射するか、吸収するか、透過するかを決める
③透過する場合次の分子に光が渡される
という順番で進んでいくため、分子が多いほど受け渡しの回数が多くなり、その分光の進む速度が遅くなります。
つまり、空気中より水の方が分子が多いため、光の進む速度は遅くなります。
分子が多いほど、光の進む速度が遅くなることが分かったところで、光の屈折を説明します。
以下の図のように、空気から水へ光が移動する場合、内側の光が先に水に触れることになり、光の進む速度が遅くなります。
一方外側はその時点でまだ水に触れていないため、光の進む速度は遅くなりません。
よって、光の内側より外側の方が多く進む分、光が下向きに曲げられます。
これが光の屈折の原理です。
最後に、光の屈折でストローが曲がって見える理由を説明します。
先ほどとは逆に、水から空気に光が出る場合を考えてください。
今度は外側の光が先に空気に出るため、その分進む速度が速くなり、右向きに曲がることになります。
以下の図でいえば、ストローの先端部分からとどいた光が右に曲がって目に届きます。
しかし、目(脳)は「光はまっすぐ進んでいる」と錯覚し、目線からまっすぐの位置にストローがあるものだと思い込みます。
その結果、実際のストローの位置と、脳が考えるストローの位置が異なるため、ストローが曲がって見えるのです。
以上、光の屈折と、水の中のストローが曲がって見える理由について説明しました。