「電圧」とは、「電気を流そうとする圧力」と表現されますが、
ではこの「電圧」とは何かを説明しろ、と言われると難しい人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は「電圧とは何か」、そしてそれに関連して「発電の仕組み」をご説明したいと思います。
電圧について説明する前提として以下の3点を理解しておいてください。
①電気にはプラスとマイナスがあり、マイナス同士は反発、マイナスとプラスは引き合う
②物質中の電子はマイナスの電気を持っている
③電流とは、物質中の電子が動くことである
(詳しくはコチラ→電気とは何か)
上記①~③を踏まえて「電圧とは何か」を簡単に説明すると、
電子の量が偏った状態にすること
と説明することができます。
順番に説明していきますので、まずは、以下の図をご覧ください。
以下の図では、左側のAと、右側のBでは電子の数が同じです。
つまりAとBは同じマイナスの電気を持っていることになるので、導線中の電子はどちらにも反発も引っ張られもせず、その場で止まった状態、つまり電気は流れない状態です。
これが電圧がかかっていない状態です。
ここで、A側の電子を増やし、B側の電子を減らしたとします。
A側はマイナスの電子が増えたため、相対的にマイナスに、
B側はマイナスの電子が減ったため、相対的にプラスになります。
すると、導線中の電子は、マイナス同士となるA側とは反発し、マイナスとプラスになるB側に引き寄せられます。つまり、A側からB側に電子が移動した=電気が流れた、ということになります。
このように、電子の量が偏った状態を作ることが、「電圧をかける」ということです。
(よく「電位差を生じさせる」といった表現も使われます。)
そして、この電子の量の偏りを意図的に発生させるのが「発電」なのです。
発電の仕組み
電圧について理解していただいたところで、続いて「発電の仕組み」を説明します。
発電を説明するために必須となる知識が「電磁誘導」です。
これは、電気を流すことのできる「導体」に磁石を近づけたり離したりする(導体に与える磁力を変化させる)と、電子が動いて電流が流れる、という現象です。
磁力を変化させるとなぜ電子が動くかは、科学的にも説明がつかないことが多く、そういう自然法則であるとご理解ください。
電磁誘導を先ほどの電圧と絡めてイメージしていただくと、導体に与える磁力を変化させることで、周囲の電子の偏りを生じさせる(=電圧を発生させる)ことができるということになります。
発電とは、この電磁誘導を利用した仕組みです。
発電のためには、蒸気や風、水圧など、外部の力で回転する磁石を用意します。
導体の近くで磁石が回転することで、磁石が近づいたり離れたりするのを繰り返す状態を作ることができます。
これにより、磁石が回り続ける限りは導体の電子が移動し続け、電気を供給することができるという仕組みです。
この磁石を回転させるための力が、
燃料を燃やして発生させた蒸気の場合は「火力発電」
原子力の爆発の場合は「原子力発電」
風の力の場合は「風力発電」
水圧の場合は「水力発電」
ということです。
以上、電圧と発電について説明しました。
普段何気なく使っている電気も、こうした仕組みを理解しておくとより身近なものに感じられるのではないでしょうか。