人間にとって欠かせない存在となっている「音楽」。
ジャンルはどうあれ「音楽」が嫌いだ、という人に会ったことはありません。
しかし、なぜ人間は音楽を聴くのでしょうか。
人間にとって音楽とはどのような存在なのでしょうか。
今回はこれについて考えてみたいと思います。
まず「音楽とは何か」ということを考えてみましょう。
「音楽」の定義は人によってそれぞれで、1つにまとめるのは難しいですが、以下のように言えると思います。
・リズム
・音の大きさ
・音の高低
等によって作られる音の組み合わせ
では、人間はこうした音楽をいつ頃から楽しむようになったのでしょうか。
これは現代の研究でも明確には分かっていませんが、有史以前、つまり人間が文明を持って生活する以前のいわゆる原始時代から存在した、と言われています。
そのため、音楽は言葉より先に生まれたとも考えられています。
こうした点から、音楽は、原始の人間にとって本能的に生じた「自分の感情を伝える手段」だったのではないかと考える説が有力です。
これについて、先ほど述べた要素ごとに考えてみましょう。
リズムと感情
まずは「リズム」
これは、人間における心臓の鼓動や体の動きを連想させます。
速いリズムは気分の高まりや激しさを表し、逆に遅いリズムは気分の落ち着きや悲しみを表現することになります。
クラブなどで流される音楽の1つにEDMという音楽がありますが、このリズムはBPM125~135というリズムで作られるものが多いです。
これは、人間が体を軽く動かし、興奮状態にある時の心拍数と近いリズムであるそうです。これが、EDMを聴いてクラブのお客さんが興奮し、ノレる要因となっているわけです。
音の大きさと感情
続いては「音の大きさ」
人間は興奮時は大きな声を、落ち着いている時は小さな声になるものです。
(大きい声には怒りで相手を威嚇する、喜びを広く伝える、といった意味があると考えられます。)
音楽における音の大きさもこれと同じで、大きな音は興奮を、小さな音は沈静をもたらすと考えられます。
音の高低と感情
最後に「音の高低」
これが一番説明が難しいところですが、これも人間が本能的に発する「音」とつながっていると考えられます。
人間が喜びの際に自然と発する音の高さと、悲しみの時に自然と発する音の高さは違うはず。
そうした音の高さを意図的に発したものが「音楽」となっているわけです。
余談ですが、半音という音は悲しみや不安を感じる音ですが、これは、通常発する音ではないため、未知の感覚から不安感をもたらすと考えられています。
これも、音の高低が人間の感情と結びついていることの1つの説明となるでしょう。
このように音楽の要素である「リズム」「音の大きさ」「音の高低」は、実はどれも本能的な「人間の感情」に結びついており、その違いを「音楽」として意図的に作り出すことで人間の感情を表現したり、揺さぶったりすることができるのです。
先に述べた通り、人間は言葉がない時代から、音楽を使ってコミュニケーションをとったり、お互いの感情を表現し合ったりしてきたのではないでしょうか。
このように人間に本能的に染みついた存在であることから、現代の人間にとっても、「音楽」が言葉以上に感情を揺さぶる存在になっており、人間は自身の感情をより明確にしたり、高めたりしてくれる音楽を好んで聴くのだと思います。
さらに現代ではそこに「歌詞」が乗ることで、音と合わせてその人の感情にさらに訴えかける存在になっていると言えます。
以上、人がなぜ音楽を聴くのかということについて説明してまいりました。
動物は鳴くなどの単音でのみ感情を伝えます。このように音を組み合わせて音楽を楽しむのは人間だけであるといわれます。
人間だけが持つ音楽と言う楽しみで、人生を豊かにしていきたいものです。