人はなぜ「笑う」のか。笑い・面白いとは何か。


人は面白いと感じた時に「笑う」生き物です。


友達と話していて、テレビでお笑い番組を見ていて、漫画を読んでいて、など、人が笑う場面は多くあります。


では、人はなぜ笑うのでしょうか。どんな時に面白いと感じるのでしょうか。


今回はこれらについて考えてみたいと思います。



まず、人の「感情」について考えてみます。


人間には「嬉しい」「悲しい」「怒り」といった感情があり、感情を外部に伝える手段の1つとして「表情」が発達してきたと考えられます。


これら感情の変化は「自分や周りの状況の変化」によってもたらさています。

嬉しい…自分が「こうなってほしい」と期待する結果になった時

悲しい…自分が「こうなってほしくない」と考える結果になった時


怒り…自分や関係・関心のある人に何らかの危害が加えられた時、そのモノや人に対して


このように状況が変化した時にそれぞれの感情が生まれると考えられます。



では「笑い」やその元となる「面白い」という感情はどのような時に生まれるのでしょうか。


現在の考え方として有力なのは

「(自分にとって悪くない方向に)予想外のことが起こった時」に笑いが生まれる

というものです。



例えば、ちょっと普通の会話をしている場でだれかが「ぷう」とオナラをしたとしましょう。

普通の考え方としては、

・人前でオナラはしない
・真面目な話しをしている場で変なことをしない


というのが一般的です。

真剣な場で「ぷう」とオナラをすることは、そうした一般的な考え方の外側に存在するもの、つまり予想外の状況であって、かつ、誰かに危害を加えるような行為ではありません。

この予想外の状況が「面白い」という感情を生み、「笑い」を生むのです。



漫才やお笑いも、基本的には同じ理論で説明ができます。

漫才やお笑いにおける「ボケ」は、意図的に予想外の状況を作る行為であると言えます。


「昨日あまり眠れなくて…10時間しか寝てないよ」


というボケがあるとしましょう。
(全然面白くない、というのはやめてください。あくまで例えです。)


一般的には8時間程度寝れば十分な睡眠と言えるわけですから、

「昨日あまり眠れなくて…4時間しか寝てないよ」

というのが普通です。


そこをあえて、

昨日あまり眠れていない⇒10時間しか寝ていない

という「予想外」の状況を意図的に作り出しているわけです。


そしてこのボケを明確にし、分かりやすく解説するのが「ツッコミ」の役割です。 


「寝すぎだよ!!」とツッコむことで、

あまり眠れない⇒でも10時間も寝た

という「予想外」の状況を、見ている人に明確に伝えてくれているわけです。

ボケが「予想外の状況」を作り、ツッコミがそれを明確にすることで世間に笑いを生むのが漫才やお笑いのメカニズムなのです。



ここまでで、人が「(自分にとって悪くない)予想外の状況」が起きた時に笑うことが明らかになりました。

では、なぜ人は予想外の状況に笑うのでしょうか。

それは人間が

「本能的に非日常や変化(≒予想外の状況)を求めている」

ということに由来すると考えられます。


現代でこそ考えにくいですが、人類の長い歴史の中においては「変化しないこと」は死を意味していたと推測されます。


例えば1か所に定住すれば、外敵(他の生物)に場所を知られ狙われます。
体力や知識を高めなければ、その間に周囲の生物が成長し負けてしまいます。


このように、人間にとって変化しないことは生命や安全を守る上で危機であったため、
その結果として「変化」を求めることが本能的に見についたと考えられます。
(私は、人間が旅行を好むのも同様の理由だと考えています。)


予想外の状況というのはまさに自分の生活や固定観念に変化をもたらすこと。
成長の機会といういい方もできるかもしれません。

それゆえに人は予想外の状況に笑い、それが「快」の感情を生み、人間にとって有益なドーパミンなどのホルモンが分泌されるようになったと考えられます。



以上、人はなぜ笑うのか、「笑い」「面白い」とは何か、ということを説明しました。
仕組みはどうあれ、笑うことは人生にプラスになります。なるべく多く、笑って過ごしたいものです。

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