なぜ夏は暑いのか(なぜ冬は寒いのか)

夏は暑い。
近年はもはや暑いという言葉では言い表せないくらい暑いです。

しかし、夏がどれだけ暑くても冬は寒いです。不思議です。

そこで今回はなぜ夏は暑いのか(なぜ冬は寒いのか)についてその理由を説明したいと思います。



夏が暑い理由を説明するにあたって、ポイントとなるのが「地球の自転と公転」です。

地球は1日かけて自分自身が一回転(自転)しながら、1年をかけて太陽の周りを一周(公転)しています。



公転する向きと同じ角度で自転しているわけではなく、地球の自転軸(地軸)は右に少し傾いています。
この傾きが日本の夏を暑くし、冬を寒くする上で重要なポイントです。

地軸が傾いた状態で自転しながら太陽の周りを公転していることを前提として、夏を暑く、冬を寒くする理由は大きく2つあります。


1つ目の理由が地軸の傾きにより「太陽の光を受ける角度(高さ)」が変わることです。

最初の公転の図で見ると、夏は右側から太陽の光を受けることとなりますが、地軸が右に傾いていることから、日本の位置では太陽の光を真上に近いところから受けることとなります。

下の図の太陽の光のエネルギーを100とすると、赤色で示した狭い範囲で100のエネルギーを受け取ることとなります。



一方で冬の場合は、左側から太陽の光を受けることとなりますが、地軸が右に傾いていることから、日本の位置では、今度は逆に、かなり低い角度から太陽の光を受け取ることとなります。

下の図では夏の時と同じ太さの太陽の光(エネルギー100)を示していますが、その光を受け取る範囲(赤色で示した範囲)が夏と比べてかなり広くなっています。

その結果、100のエネルギーが広い範囲に分散してしまい、暑くなりにくい、ということになります。


つまり、

・夏は太陽の光を高い位置から受けることで狭い範囲でエネルギーを分散することなく受け取れるため暑い

・逆に冬は太陽を低い位置から受けることで広い範囲にエネルギーが分散してしまうため寒い

ということです。



2つ目の理由は地軸の傾きにより「太陽の光を受ける時間(長さ)」が変わることです。


夏の場合、下の図で見ると真ん中の点線を過ぎたところから太陽が当たり始め、反対側の点線を過ぎるまで太陽の光を受け続けることとなります。



冬の場合も同じで、真ん中の点線を過ぎたところから太陽の光を受け始め、反対側の点線を過ぎるまで光を受け続けるわけですが、
地軸が傾いていることから、点線(日の出)~正午、正午~点線(日の入り)までの長さが夏と比べて非常に短くなっているのです。


よって、

・夏は太陽の光を長く受け続けるため暑くなりやすい
・冬は太陽の光を受ける時間が短いため寒くなりやすい

ということとなります。



最後にもう一度まとめると、

夏・・・太陽の光を高い位置から狭い範囲で受けることと、太陽の光を長く受けるため暑い

冬・・・太陽の光を低い位置から広い範囲で受けることと、太陽の光を受ける時間が短いため寒い

ということです。




おまけとして、上記の説明から、赤道付近が年中暑く、北極や南極が年中寒い理由が説明できます。

下図のとおり、赤道付近は夏でも冬でも太陽の光を高い位置から長い時間受けることができます。よって、年間を通じて暑い日が続きます。




逆に南極や北極は年間を通じて太陽の光を低い位置から受ける、季節によっては1日中太陽の光が当たらない(これを極夜といいます)という状況になるため年間を通じて寒い、ということになるのです。




以上、夏は暑くて冬は寒い理由について説明しました。


地軸が傾いているのは地球が出来上がるときに惑星がぶつかる等の理由(つまり偶然)によるものらしいですが、それによって夏の暑さや冬の寒さ、四季が作られていると思うとなかなか感慨深いものです。

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