宗教とは何か① 宗教の始まりと基本



宗教と聞くと「洗脳されている」とか「怪しい勧誘」など、あまりいい印象をもたない方も多いかと思います。
しかし、自分も意識していないところで、実は宗教というのはほとんど人の身近に存在し、生活に大きくかかわっているものです。

そこで今回から数回にわたり、「宗教とは何か」ということについて説明していきたいと思います。


宗教とは何か


宗教とは、ものすごく簡単に言ってしまえば、

神様など、目には存在しない者や力を信じ、そこに何かを願うもの

と言うことができます。

日本人の場合、自分は「無宗教だ」と自覚する人が多いかもしれません。
しかし、そんな人も新年には神社に初詣に行き、神様に1年の幸せを祈ります。
また、仏壇の仏様(ご先祖様)を思い手を合わせる方も多いでしょう。

その時点で十分「神道」や「仏教」という宗教を信仰しているといえます。

何も毎週教会に行って祈りを捧げたり、毎日メッカにお祈りをするような大げさなものだけが宗教というわけではありません。



宗教の始まり、なぜ宗教を信じるか


ではなぜ人間は宗教を信じるようになったのでしょうか。
その起源ははるか旧石器時代までさかのぼることができます。

宗教の起源は、

自然現象など、当時では理解できなかった現象に対する恐怖

だと考えることができます。

今でこそ雨が降る、晴れる、地震が起こる、といった自然現象はメカニズムが解明されていますが、昔の人はそんなことはわかりません。

当時の人々にとって自分の理解を超えた現象や説明がつかない現象。
これらを「人間の力を超えた何か不思議な力が働いている」と考えるのはごく自然なことだと思います。

その不思議な力が、人智を超えた存在、つまり「神」として祈られるようになったのが宗教の始まりだといえるでしょう。

このような自然信仰、万物に神や精霊、先祖の霊が宿るという考えは「アニミズム」と呼ばれ、現代でもこのアニミズム的信仰が強く残っている国もあります。
アフリカや南太平洋の島々などが多く、マダガスカルでは50%以上の人が先祖との結びつきを重視する伝統宗教を信仰しています。
また、日本における神道もその1つだと言えるでしょう。



ではこうした起源を持つ宗教が、現代では多くの事象が科学的に解明されているにも関わらず、現代でも根強く残っているのはなぜか。


それには大きく2つの理由があると考えられます。


1つは「現代でも神の存在を完全には否定できない」という点です。

現代では雨が降ったり、地震が起こったりというあらゆる自然現象のメカニズムは解明されています。

しかし、そのメカニズムを生む地球はどのように作られたか、その地球が存在する宇宙はどのように作られたか、など、やはり科学では説明がつかない、ありえないことがたくさん存在しています。

おそらく宇宙の誕生の仕組みが完璧に解明されることは、永遠にないでしょう。

このような未解明な事項が残っている以上、現代であっても「神が存在する可能性」を完全に否定することはできません。
宇宙は神が創造した可能性もあり得るわけです。
むしろ「神が存在する」と考えるほうが辻褄が合うことが多いので、現代でも神を信じる人が多くいるということです。


2つ目は「神が助けてくれる(かも)と考えると気が楽になる」ということです。

人間はどれだけ努力しても、未来を確定させることはできません。
時には無謀ともいえることに挑戦しないといけないこともあるでしょう。

そんな時、その不安を一人で抱え込むより「神のように見えない不思議な力が奇跡を起こしてくれるかも」と考えることで、少しでも前向きに、ポジティブになることができます。

神が本当に存在するかどうかは関係なく、「神がいてくれて、自分を助けてくれる(かも)」と考えることで、自分の気持ちが少し楽になる。
それが現代でも宗教が強く残っている1つの意義でもあると思います。

多くの日本人がおみくじを引いたり、神社にお参りにいくのもこうした心理からです。



以上、宗教の始まりと宗教の基本、宗教とは何か、ということについて説明しました。
次回からはキリスト教やイスラム教など、具体的な宗教について説明していきたいと思います。



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