飛行機はなぜ飛べるか(作用・反作用の法則について)


飛行機は空を飛びますが、驚いたことに、その原理は完全に解明されているわけではないそうです。

所説ある中、飛行機が空を飛ぶのは、現在では「作用・反作用の法則」という運動の基本的な法則によって説明されることが主流です。


そこで今回は「作用・反作用の法則」について説明し、その法則により飛行機が空を飛ぶ理由について説明していきたいと思います。


作用・反作用の法則とは


作用・反作用の法則とは、

物体Aが物体Bに力を加えると、物体Aは物体Bから同じ力をうける


という法則です。

物体Aが物体Bに加える力を作用としたとき、物体Bから物体Aが受ける力が反作用となります。


以下の図でいえば、壁をパンチすることで手から壁に与える力が「作用」、壁から腕が受ける力が「反作用」となります。
壁からの反作用により、人の手は痛みを感じるわけです。

作用を受けた物体から反作用が生じる原理について、先ほどの壁をパンチ例にすることを例に説明していきます。

壁を構成する分子は、外部の力を受けていない状態では安定した状態で結合しています。

外部から力が加わると、分子の結合が安定した状態からズレるため、この分子は安定した状態に戻ろうとします。

その結果、押し返す力が生じます。これが反作用が生じる理由です。



なお、作用・反作用の法則について説明すると、以下のような疑問を持ち、作用反作用の法則が信じられない、という方が多くいるようです。

例えば、のれんのような軽いものを押したときにも、同じ反作用を受けているのか??
その割には、腕は押し返す力を感じない。
⇒反作用は生じていないのではないか


この疑問について説明していきたいと思います。

例えば、あなたが100の力で壁をパンチしたとします。
その場合、壁は動かず、あなたの手は、壁から100の反作用を受けます。

今度は、のれんを100の力でパンチしたとします。
のれんは軽いので、手がのれんに軽くふれた瞬間、つまり、100のうち1の力が加わった時点で動いてしまいます。
よって残りの99の力はのれんには伝わっていません。

そのため、あなたの手がのれんから受ける力は、のれんに加えた力と同じ1です。
よって、あなたの手は痛みを感じることはないのです。


のれんを殴った場合でも、ちゃんと作用・反作用の法則は成立しているわけです。
(作用が小さいので、反作用も小さい)


飛行機が空を飛べる理由


この作用・反作用の法則から、飛行機が空を飛べる理由を説明してみます。

飛行機は前に進むと、前方からの空気を受けます。
この時、翼に当たった空気は翼の向きや形状により、下向きに曲げられます。

空気が下向きに曲げられるということは、空気を下向きに押す力が生じるということです。

すると、その反作用として、空気から翼を押し上げる上向きの力が生じることとなり、その力により飛行機は空を飛ぶ、というのが、現在有力な飛行機が飛ぶ理由です。



以上、作用反作用の法則と、飛行機が飛ぶ原理について説明しました。
ハイテクの塊のような飛行機が、実はこのようにシンプルな原理で飛んでいる、というのは驚きです。


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