電気とは何か

私たちの生活において切っても切り離せない存在となっている「電気」。


ものを動かしたり、光を発したりするエネルギーになっているのは誰もが知っているでしょうが、その正体が一体何なのか、と聞かれると説明が難しいものです。

そこで今回は「電気とは何か」ということについて説明していきたいと思います。


「電気」を最も簡単に説明すると、

+の性質(パワー)を持つ物質と、-の性質(パワー)を持つ物質が引き合う力のこと

を指します。

+の性質を持つ物質に向かって、-の性質を持つ物質が引っ張られて移動する過程で、光や熱を生み出したり、モノを動かす力を生み出したりするのです。
※この性質やパワーのことを「電荷」と呼び、電気的な力や量を持っていることを指します。


では、+の電荷を持つ物質と、-の電荷を持つ物質についてもう少し詳しく説明します。

全ての物質を構成する「原子」は、中心に「原子核」があり、その周りに「電子」が存在することで作られています。

原子核の中にある「陽子」という物質が、+の電荷を持っています。
また、「電子」という物質は、-の電荷を持っています。

先ほど述べたように、-の電荷は+の電荷と引き合う力を持っています。
(逆に-と-、+と+同士は反発します。)

中心にある原子核(+)に、電子(-)が引っ張られて、1つの原子として構成されているわけです。

電子が外からのエネルギーを得ることで、原子核に引っ張られる力より強い力で外に飛び出してしまうことがあります。
(電子は熱などのエネルギーを持つと振動します。)

この電子を「自由電子」と呼びます。

この自由電子は、外部にある、より引き付ける力の強い原子に引き付けられ、そこに向かって移動します。
(物質ごとに、中心の陽子の数の違い等により、-を引き付ける強さが異なる)


このように、-の電荷を持つ「電子」(自由電子)が、+の電荷を持つ陽子に引っ張られて移動することを、「電流」と呼び、また、電気が流れた、と言っているのです。

自由電子が別の原子(+)に移動する過程でほかの物質にぶつかり、その物質を振動させることで熱や光を発することになります。

また、自由電子が別の原子とくっついて安定した状態になる時に、余分なエネルギーを光として放出するのがLEDです。

また、自由電子が移動(=電流が流れる)と、その周りには磁力が発生します。
この磁力がモノを動かす力を生み出しています。

詳しくはコチラ⇒電力でモノが動く理由


<少し詳しい説明①>
上記では、イメージのため1つの電子が移動しているような図を描いていますが、実は、電子1個の動きは非常に遅いそうです。

銅などは大量の自由電子を持っており、電圧をかける(一方を電気的にマイナスが多い状態とする)と、最初の電子がわずかに動きます。

その隣にある電子は、隣の電子が近づいてくるため、マイナス同士の反発力で動きます。
この連続により電子が動くことで、電流が流れる、というのがより正確なイメージのようです。

電子自体の動きは遅くても、電子が大量に密集していて、隣に影響を及ぼす時間は一瞬のため、電流は一瞬で流れるというわけです。







<少し詳しい説明②>

上記で、電流は自由電子の移動である、と説明しました。
ということは直感的には電流は-から+に流れるように感じるかもしれません。

しかし、電流の定義は「+から-に流れる」となっています。

この理由は、電流が「電子の移動によるもの」であることが発見される前に、「プラスからマイナスに流れるものとする」と科学者が決めてしまったためなのです。

なぜそのように決めたかは明確ではありませんが、昔の電池では、マイナス側の亜鉛版は溶けてどんどん小さくなっていくものでした。(ボルタの電池)

よって、見た目のイメージとしては、プラス側からマイナス側になんらかの力が掛かっているように見えたのかもしれません。
(実際には溶けだしたことで電子が余って、それがプラス側へ移動していた)

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