半導体とは何か①


近年不足が問題となっている「半導体」。

現代の産業には欠かせない素材ですが「半導体とは何か?」と聞かれると、上手く説明できない人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は「半導体とは何か」ということを、説明していきたいと思います。

半導体とは何か


簡単に言うと、半導体とは

「条件によって電気を通したり、通さなかったりする物質」

のことを指します。
(さらに、そうした物質を用いて作られた電子部品も総じて「半導体」と呼ばれています。)



常に電気を通す物質を「導体」、電気を通さない物質を「絶縁体(不導体)」と呼びますが、半導体は場合によっては「導体」、場合によっては「絶縁体」になることから、導体と呼ばれているのです。


上記のような性質から、半導体は「必要な時(条件を満たす時)にだけ必要な箇所に電気を流す」という使い方ができるため、複雑な電気の回路の中で重要な役割を果たしています。

詳細は別途説明しますが、半導体には「ある方向から電流が流れた時だけ、別の方向に大きな電流を流す」という、スイッチ的な性質を持たせることができます。

もちろん原始的な、物理的なスイッチで同じ機能を実現することもできますが、どうしても装置が大型化することや、物理的な摩耗で劣化しやすいデメリットがあります。

一方半導体は、原子の仕組みを利用していることから、物理的な消耗が少なく、小型化が可能なのです。




半導体素材の作り方


半導体に使われる素材は「シリコン」が多いです。
(比較的安価で、地球上に大量に存在しているため)

このシリコンは、何も加工しない場合は電気を通しにくい「絶縁体」に近い性質を持ちます。しかし、不純物を混ぜることで、電気を通す「導体」に近い性質を持つようになります。

混ぜる不純物によって、2通りの電気の通し方があるのが大きな特徴です。


<①電子が1つ余る「N型半導体」>


シリコンにリン等の不純物を混ぜると、1つ電子が余った状態となります。

この電子は原子核の束縛を受けない自由電子となるため、電圧をかければ移動できる、すなわち、電気が流れるということになります。この半導体のことを「N型半導体」と呼びます。

※マイナス電荷が1つ多いため、Negative(ネガティブ)のNから



<②電子が1つ不足する「P型半導体」>


シリコンにホウ素等の不純物を混ぜると、今度は逆に電子が1つ不足した状態となります。

この電子を不足している場所は正孔(ホール)と呼ばれ、マイナスの電荷を持つ電子が不足しているため、プラスの電荷を持つこととなります。

 その結果、正孔のプラスに隣の電子が引き付けられ移動します。その結果、もともと電子があった場所が正孔となります

 この繰り返しで正孔が移動していく(≒電子が動く)ため、やはり電気が流れるということになります。この半導体のことを「P型半導体」と呼びます。
※プラス電荷が多いため、Positive(ポジティブ)のPから


上記のとおり、通常は絶縁体的な物質に、「不純物を混ぜる」という条件を与えることで電気が流れるようになるわけです。

さらに、このN型半導体とP型半導体を組み合わせることで、導体にはない様々な電気の流し方をすることができます。

これについては↓の記事で続けて説明していきます。

半導体とは②

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です