「磁力」といえば、誰でも知っている、N極とS極がくっつく力のことを指します。
しかし、その「磁力」がなぜ生じているのか、知らない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は「磁力とは何か」「磁力ははぜ生じるか」について説明いたします。
<磁力は電流が流れると発生する>
簡単にまとめると、磁力は、電子が移動する=電流が流れる ことでその周囲に生じる力です。
N極とS極という2つの力の極が存在し、異なる極同士は引き合う、同じ極同士は退け合う力が生じます。
なお、なぜ電子が動くと磁力が生じるかは、明確には分かっておらず、そういう自然法則であるとご理解ください。
鉄心に導線を巻き、そこに電流を流すことで強い磁力を生じさせる装置を「コイル」と呼び、磁力を持つコイルは磁石となっていることから、これを「電磁石」と呼びます。
しかし、世の中には一般的に「磁石」と呼ばれるように、電流を流していなくても磁力を生じさせる物体があります。
また、鉄のように磁石を近づけるとくっつく物質も、電流は流していません。
これらの磁力は、物質を構成する「原子」において、電子が運動していることによって発生しています。
原子内で、電子は
①原子核の周りを回転する運動
②その場での運動(スピン)
の2通りの運動をしています。
これが、電子が動いた=電流が流れた と同様の状態を作り、物体からの磁力を生じさせているのです。
このように、物体に意図的に電流を流さなくても、物質内の電子の動きにより磁力が生じるのです。
では、全ての物質が磁力を発しているか、というとそうではありません。
自らが磁力を発し、いわゆる「永久磁石」となれる物質はほんの一部ですし、磁石にくっつく物質もあればくっつかない物質もあります。
次回は、このような物質ごとの磁力の違いについてご説明いたします。
磁力とは何か2 ~磁石にくっつく、くっつかないの違い~