人間は、お湯は「熱い」と感じ、氷は「冷たい」と感じます。
また、夏の空気は「熱い」と感じ、冬の空気は「冷たい」と感じます。
この「熱い」「冷たい」というのは一体どういう状態のことを指すでしょうか。
そこで今回は「熱」とは何か、ということについて説明してまいります。
「熱」とは簡単に言えば「原子や分子の運動」です。
例えば空気(窒素や酸素)や水は、原子(分子)で構成されていますが、その原子・分子が激しく運動している状態で、それに触れることで私たちは「熱い」と感じます。
逆に、原子や分子があまり運動していない状態で、そこに触れると「熱くない(冷たい)」と感じます。
熱い物体にものをくっつけると、くっつけた物体も熱をもちます。
このように熱が伝わる現象も、原子や分子の運動で説明することができます。
例えば、ヤカンをコンロで熱すると、炎の熱がヤカンや水に伝わって、ヤカンは熱くなり、水はお湯になります。
これは、運動している熱が、他の物質にぶつかることで、他の物質を運動させているためです。
また、熱を加えることで「固体」⇒「液体」⇒「気体」と状態を変えていくのも、熱による原子・分子の運動で説明ができます。
水を例にして説明します。
固体である氷は、水分子がもつ熱が少なく、ほとんど運動していない状態です。
そのため、分子同士は強く結合しており、分子はその場から動くことができません。
結合が強いため壊れにくいですが、外部から強い力が加わると、1度離れた分子はその場を動かないため再度他の分子とくっつくことがなく、割れてしまうのです。
氷に熱を加えると、氷が解けて液体である水になります。
これは、水分子の運動が少し増えた状態です。
水分子自身が運動するため、水分子同士の結合は若干弱くなり、水分子は位置を変えることができるようになります。
結合が弱いため分子同士は簡単に分離しますが、分子が動いているため、近くにある別の分子と再結合することができます。そのため、外部からの力に合わせて水は形を変えることができるのです。
水にさらに熱を加えると、気体である水蒸気になります。
これは、水分子が激しく運動している状態であり、水分子同士は結合していません。
各水分子が自由に動くため、その場にとどまることなく、どこかへ飛んでいく状態です。
以上、「熱」とは何か、ということをご紹介しました。
何か熱いものを発見した時は、「中の原子・分子が運動しているのだな」と想像してみてください。