太陽や電球から発せられる「光」。
私たちにとって非常に身近なものですが、それがいったい何なのかといわれると説明が難しいものです。
そこで今回は「光とは何か」ということについて説明していきたいと思います。
結論から述べますと、光は「エネルギーを持った電磁波」のことを指します。
以下で「電磁波」についてできる限り分かりやすく説明しますが、
興味のない方は読み飛ばしてください。
【電磁波についての詳しい説明】
電磁波とは「電場」と「磁場」がお互いを発生させ合いながら伝わっていく波のように伝わっていく波を指します。
その発生を順を追って説明していきます。
①太陽などを構成する原子の中には「電子」という、マイナスの電気(電荷)を持った物質があります。その「電子」が何らかのエネルギー(太陽の場合は核融合による熱)を得て振動したり、動いたりします。
②電子が動くということは、電流が流れたのと同じ状態になります。
電流が流れると周囲に「磁場(磁界)」を発生させます。
※磁場…N極がS極と引き合う(同じ極同士は退け合う)磁力が及んでいる空間
(電流を流すと磁力が発生するのは、「コイル」を作って実験したのではないでしょうか。)
ここで、電流の流れる強さや向きが変わると、その周囲に発生する「磁場」の向き(N→SがS←Nに)や強さも変わります。
先ほどの太陽の例で言うと、電子が振動する=電流の流れる向きが変わる、ということなので、その周囲に発生する「磁場」もその都度向きが変わることとなります。
③磁場の強さや向きが変化すると、その周りに「電場(電界)」を発生させます。
(これを電磁誘導と呼ぶ)
※電場(電界)…マイナスの電気(電荷)とプラスの電気(電荷)が引き合う力が生じる空間
④さらに、この電場も磁場の変化により強さや向き(-→+が、+←-に)が絶えず変化することとなりますが、
実際に電流が流れなくても、電場が変化することで新たな磁場を生み出します。(これを電束電流と呼ぶ)
この繰り返しにより、磁場と電場を発生させながら波のように伝わっていくのが「電磁波」です。
電流や電場の変化が磁界を生じさせ、磁場が電場を生じさせるのは、そういう自然法則である、としてご理解ください。
最終的にその電磁波(光)が物質に届くと、磁場や電場の力で物質内の電子が振動し、結果的に光からのエネルギーを得ることになります。
物質は、光のエネルギーを、電磁波を通じて受け取り、吸収します。
人間を含む物質は、それを熱にしたり、化学的なエネルギーに変えているのです。
また、光のエネルギーを電気的なエネルギーに変換しているものが「太陽光発電」となります。
このように、光の正体は、エネルギー持ち、それを物質まで運ぶ電磁波なのです。
(人間の目で識別できる電磁波を「可視光線」と呼ぶ)
電子の振動数により、そこから発せられる電磁波の波の形も変わってきます。
これを光の「波長」と呼び、波長ごとにエネルギーの量が異なります。
感覚的にもわかりやすいですが、振動数が多いほど波の量が多くなり、エネルギー量も多くなります。
私たちはこのエネルギー量の違いを「色の違い」として認識しています。
エネルギー量の少ない波長を「赤系の色」
エネルギー量の多い波長を「青系の色」
として認識するよう進化してきたのです。
これは「色とは何か」で詳しく説明します。
以上、光とは何か、ということを説明しました。
電磁波というと何か有害なものをイメージしがちですが、光も電磁波であり、電磁波が伝わることで生物や物質は光からのエネルギーを受け取ることができているのです。